~ないものねだりよりあるものさがし~
東京から厚真へ、田舎で暮らす秘訣とは?
―東京生活が長かったご夫婦が、厚真町に移住したきっかけは?
柿沼:旅行で何回か北海道に来ましたが厚真町のことは全く知りませんでした。
好きな北海道で暮らしたいという想いが強くて、仕事を早期退職することを機に移住を本格的に考え始めました。馬が好きなので当初は日高地方を中心に調べましたが、なかなか住む家がない。周辺の町を調べている時に厚真町を知りました。担当者の方が入居可能な公営住宅などを具体的に教えてくれたことが、移住先を決める大きなポイントになりました。
―柿沼さんは厚真町移住後に仕事を探されたと聞きました。
柿沼:火力発電所設備のメンテナンスを行なう企業に勤めています。職場へは車で約20分程度、東京に住んでいた時と比べると随分楽になりました。妻は役場で勤めていますが、職場までは徒歩5分です(笑)。
―柿沼さんは趣味が釣りで、楽しみにしていたそうですが。
柿沼:厚真町近海では残念ながら釣れるのがカレイばかりで…そこは期待通りにはいきませんでした。ただ今はワカサギ釣りによく行きます。
―最後にこれから移住や田舎暮らしを考えている人に一言お願いします。
柿沼:厚真町のパンフレットに書いてあった「ないものねだりよりあるものさがし」という文章が心に残っています。以前住んでいた町と比較して足りないものを考えるよりも、今ある環境の中でできることを考えることが楽しく田舎暮らしをする秘訣だと思います。
柿沼 芳彦・聡美さん ご夫妻
「北海道で暮らしたい」という強い想いから、平成27年12月に東京都八王子市から移住。移住歴は1年2か月(平成29年2月現在)。趣味の釣りや田舎暮らしを楽しんでいる。
~田舎暮らしというはたらき方~
高校生の頃の夢を叶えて
―小松さんは「地域おこし企業人」という制度で厚真町に来られたそうですが?
小松:「地域おこし企業人」は総務省の制度で、都市部の企業に勤務する社員が一定期間、地方自治体において地域独自の魅力や価値の向上につながる業務に従事する制度です。私は、東京が本社の外食チェーンに勤務していましたが、この制度により厚真町に来て、特産品開発などの業務に従事しています。最近ではふるさと納税の返礼品として、コクワ(さるなし)を使用したジャムの開発を担当しました。
―町の中心部から少し離れた空き家の一軒家に住まわれているそうですが?
小松:広くて管理が大変な面もありますが、近隣の方に草刈や除雪を助けてもらっています。庭をうさぎや鹿が通り、草木が芽吹くのを感じられ、季節の移り変わりを強く感じることができます。
―休日はどのように過ごされていますか?
小松:ひとつのことをじっくりやるよりも広く浅くやるタイプなので、山菜採りやサーフィン、キャンプ、木のぼりなど、今までやったことがないことに挑戦できるのがうれしいです。
―厚真町での田舎暮らしの感想をお願いします。
小松:高校生の頃から将来は田舎で生活することを考えていたので、それが叶いました。当たり前かもしれませんが、空気が良くて水もおいしい、そして新鮮な野菜をいただけることで十分に満足です。
小松 美香さん
「地域おこし企業人」制度を利用して平成27年6月に埼玉県所沢市から移住。移住歴は1年8か月(平成29 年2月現在)。仕事では特産品の開発などを行い、プライベートではさまざまなアウトドアを楽しんでいる。